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長引く「歯ぎしり・食いしばり」に要注意

日中や夜間に無意識に起こる歯ぎしり・食いしばりは、周囲の人からの指摘がないかぎり自身で気づくことはできません。
しかし、気づかないまま放置すると、歯やその周囲、さらには全身にも悪影響が及ぶ可能性があるため注意が必要です。
今回は、歯ぎしりや食いしばりによるリスクや原因、治療法などを詳しくご紹介していきましょう。

歯ぎしり・食いしばりが続くと起こりうる4つのリスク

近年の研究において夜間の歯ぎしりは軽度のものを含めると、健康な人でも一晩で平均15分ほど行っていることが明らかになっています。一方で、歯ぎしり・食いしばりは体重と同じかそれ以上の力が歯に加わるといわれており、長く続くと歯や顎の関節、ひいては全身にも何らかの影響を及ぼします。
以下にご紹介するのは、長引く歯ぎしり・食いしばりによって起こりうる代表的な症状です。これらの症状が思い当たる場合、無意識に歯ぎしり・食いしばりをしている可能性があります。

1歯がすり減る・欠ける・割れる

歯ぎしり・食いしばりが続くことで起こりうるトラブルのうち、最も代表的なのが「すり減り」や「欠け」といった歯にまつわるトラブルです。
日常的に歯ぎしり・食いしばりをしている人のお口の中をみると、歯が全体的に平たくすり減っている様子が確認できます。
なかには、歯の一部が欠けていることも少なくありません。さらに、強い噛みしめによって歯の根っこが割れてしまうと、歯を残せなくなる(抜歯になる)おそれもあります。

2顎関節症(口が開けにくい・顎を動かすと音がする、など)

「口が開けにくい」「顎を動かすとパキンと音がする」などの症状が有名な顎関節症も、長引く歯ぎしり・食いしばりによって生じるトラブルの1つです。
顎関節は上あごと下あごをつなぐ関節で、歯に過度な力が加わり続けるとそれと連鎖して顎関節にも大きな負担がかかるようになります。その結果、開口障害(口が開けにくい・開かない)や顎関節雑音(音がする)、さらに顎関節や周囲の筋肉に痛みなどを呈する顎関節症を引き起こしていきます。

3歯周病の進行・悪化

歯ぎしり・食いしばりによる強い力は、歯だけでなくそれを支える周囲の組織(歯周組織)にも影響を及ぼします。これによって生じるのが、歯周病の進行や症状の悪化です。
歯周病は口内の細菌が歯ぐきに感染・炎症を起こす病気で、その炎症はやがて歯を支える骨(歯槽骨)にまで広がり、骨を少しずつ溶かしていきます。
そこへさらに、歯ぎしり・食いしばりによる過度な力が歯に加わると、周囲の骨の吸収が急激に進みやすくなります

4首や肩のコリ・頭痛

下あごを上下・左右と自在に動かす筋肉は、その周囲にある首や肩などの筋肉とつながっています。
歯ぎしりや食いしばりは下あごを動かす筋肉にも過度な負担がかかりやすく、それが長引くと首や肩まわり、背中、こめかみあたりの筋肉にもその影響が及んでしまいます。その結果、慢性的な首や肩のコリを引き起こすことも少なくありません。また、首には脳へ血液を送る太い血管が通っていますが、首回りの筋肉の緊張が続くと血流が悪くなり、それが頭痛の原因になることもあります

次回は歯ぎしりの原因や治療についてご紹介していきます。