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続・歯が浮く感覚は、歯の異常を知らせる最初のサイン

前回に引き続き歯が浮いたような感じがする時何が怒っているかを解説していきます。

歯周病

歯周病は口内の細菌が歯ぐきに感染・炎症を起こし、その炎症がやがて骨にまで及んでしまう病気です。

初期の歯肉炎(歯ぐきに限定した炎症)では歯ぐきの赤みや出血などが代表的ですが、いずれも症状は軽いためそのまま見過ごされてしまうことも少なくありません。ただ、そこから炎症が歯ぐきから歯根膜に及ぶと、歯が浮いたような感覚を覚えることがあります。

そこからさらに炎症が歯を支える骨へ広がると、骨が次第に溶けていき、最終的に歯を支えきれなくなります。

歯の根っこの先に膿がたまる(根尖性歯周炎)

過去に神経を抜いた歯、あるいは何らかの原因で神経が死んでしまった歯は、歯根の先にばい菌が感染して膿がたまってしまうことがあります。

これを専門的に「根尖性歯周炎」または「根尖病変」といいます。根尖性歯周炎も自覚症状の乏しい病気の1つで、レントゲンで偶然発見されるケースも少なくありません。ただ、数少ない症状に歯が浮いた感じや噛んだ時の違和感などがあります。

歯ぎしり

歯ぎしりによって歯に加わる過剰な力は、やがて歯根膜にもダメージを与えていき、歯が浮いたような症状をともなうことがあります。

就寝中の歯ぎしりは自身で気づかないことも多い一方、朝起きたときの顎のだるさや歯の浮遊感がその兆候を示すサインになります。

歯の打撲

事故や転倒などで歯をぶつけた際、歯の浮いた感じがしばらく続くことがあります。

軽い打撲の場合は23日で症状が落ち着くこともありますが、数か月以上続く場合は注意が必要です。

「歯の使いすぎ」「疲労・ストレス」も要注意

先にご紹介した原因は、いずれも早い段階で歯科を受診し、適切な治療が必要です。

ただ、歯が浮く感覚はこれらの病気のほかに、「歯の使いすぎ」や「疲労・ストレス」でも生じることがあります。

歯の使いすぎ

おせんべいなど硬い食べ物や歯ごたえのある食べ物をよく好んで食べる方は、歯に加わる過度な力により歯根膜にダメージを受けることがあります。

思い当たるふしがある場合はしばらく硬い食品は控え、安静にしておけば徐々に症状は落ち着いていくでしょう。

ただし、症状がなかなか治らない場合は他に原因がある可能性があるため、時間をおかずに歯科を受診しましょう。

疲労、ストレス

疲労やストレスがたまっていたり、風邪などで体調不良が続いたりした場合にも、歯が浮いたような感覚を覚えることがあります。

また、女性の場合は出産や月経、更年期などホルモンバランスの変化によって同様の症状をともないやすいようです。

いずれの場合も治療の必要ありませんが、症状が長引く場合は、念のため歯科医院で診てもらうことをおすすめします。

1~3か月に1回は歯医者さんで歯を労わる「メンテナンス」を受けよう

私たちが食事をする際、歯には体重と同程度の力が加わるといわれています。

つまり、食事を13回、毎日繰り返す私たちは、想像以上に自分の歯を酷使しているわけです。それでも歯は文句ひとつ言わずに耐え忍び、私たちに食事の楽しみや喜びを与えてくれます。

しかし、そんな頑丈な歯も気づかないうちに小さな悲鳴を上げていることがあります。

「歯が浮く感じ」というのも、もしかしたらその小さなサインの1つかもしれません。そんな些細なサインを見逃すことがないよう、1~3か月に1度は歯科医院でメンテナンスを受け、毎日黙々と働きつづけている大切な歯を労わってあげましょう。