フッ素(フッ化物)配合歯磨き剤の効果的な使い方
今回の発表では、フッ素配合歯磨き剤で推奨される使い方についても触れられています。
フッ素配合歯磨き剤は使い方によってはその効果が半減する可能性もあるため、以下を参
考にぜひ日頃のセルフケアに取り入れてみてください。
各年齢共通:「就寝前」を含めて1日2回の歯磨きを行う
フッ素配合歯磨剤を使った歯磨きは、就寝前を含め1日2回行うようにしましょう。
就寝中は1日の中でもとくにお口の中で細菌が増殖する時間帯であることから、国際歯科
連盟(FDI)でも「就寝前」の歯磨きを推奨しています。
3歳以降:歯磨きの後は歯磨き剤を軽く吐き出す・うがいは少量の水で1回のみ
フッ素配合歯磨剤は、フッ素成分を口内に残すほどその効果が得られやすくなります。反
対に、お口をゆすぎすぎると成分がお口に残らず、その効果が半減してしまうため注意が
必要です。
磨き終わったら歯磨き剤を軽く吐き出し、うがいをする場合でも少量の水で1回にとどめ
るようにしてください。
3歳まで:ティッシュなので歯磨き剤を軽くぬぐい取ってもよい
歯磨き剤の吐き出しやうがいがまだ上手にできない小さなお子さんの場合は、歯磨きの後
に清潔なティッシュやガーゼ等で軽くお口をぬぐってもかまいません。
くわえて、2歳までの子どもでは、「歯磨き剤を子どもの手の届かない所に保管する」「
歯磨きについて専門家のアドバイスを受ける」と明記されています。
これだけ濃度が上がって安全なの?
今回の改訂では子どものフッ素配合歯磨剤における推奨濃度が大きく変更されましたが、
ここで気になるのはその安全性です。
フッ素配合の歯磨き剤のリスクでは、子どもの時期に過剰なフッ素を継続的に摂取した場
合に起こる「フッ素症(歯の表面に生じる白斑・白濁)」があります。
また、小さなお子さんの場合は、歯磨き剤を誤って大量に食べたり飲みこんだりして急性
中毒を起こすリスクも考えられるでしょう。
これらのリスクについては、先の4学会も「フッ素症のリスクとむし歯予防のメリットの
バランスを考慮する必要がある」とし、メリットがリスクを上回る使用量や頻度を記して
います。したがって、フッ素症のリスクについては決められた使用量や頻度をきちんと守
ればそれほど問題はないでしょう。
一方で、乳幼児の使用については「子どもが誤って歯磨き剤をチューブごと食べるなど大
量に飲み込まないよう注意する」としています。
歯科医院の「フッ素(フッ化物)塗布」も併用すれば、さらにむし歯予防の効果がUP
フッ素(フッ化物)の活用についてはご家庭でのフッ素配合歯磨剤にくわえ、歯科医院で
の「フッ素塗布」を一緒に行うことでむし歯予防がさらに確実なものとなります。
その効果については乳幼児の場合でむし歯の発生が半減、永久歯においても20~30%予防
効果が得られると報告されています。
歯科定期検診とあわせて、定期的なフッ素塗布も継続していきましょう。