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続・歯周病のタイプ

前回に続き歯周病の代表的な種類をご紹介いたします。

歯 周 炎

■慢性歯周炎:歯周病で最も多い
歯周病の中で最も多いのは慢性歯周炎で、歯周病患者さんの約95%がこれに該当します。
30代以降から発症し、お口全体にゆっくりと進行するのが特徴です。
治療はブラッシングやスケーリング(歯石除去)による原因(プラーク)の機械的除去がメインで、骨の破壊が著しいケースについては外科治療を行うこともあります。
■侵襲性歯周炎:若い人に多く、急速に進行する歯周炎
侵襲性歯周炎は全身的に健康であるにもかかわらず、歯ぐきや骨の破壊が急速に進む歯周炎です。
慢性歯周炎が40代以降に多いのに対し、侵襲性歯周炎は10代~30代の若い人に多い傾向があります。また、同一家族で発症しやすいのも侵襲性歯周炎の特徴です。
■壊死性潰瘍性歯周炎(壊死性歯周疾患):強い痛みや出血をともなう歯周炎
壊死性潰瘍性歯周炎は歯ぐきが壊死したり、ただれたり(潰瘍)して、強い痛みをともなうのが特徴です。
歯ブラシが歯ぐきに触れるだけで痛みをともない、ブラッシングが困難になります。発症原因には、お口の清掃不良、ストレス、喫煙、免疫不全などが挙げられます。

セルフケアだけでは危ない

定期的なプロフェッショナルケアが必須

口内の細菌(プラーク)の感染によって発症する歯周病は、日常のブラッシングや歯間ブラシ・デンタルフロスによるケアが予防の基本とされています。
しかし、セルフケアで落とせるプラークはお口全体の約6~8割に過ぎず、磨き残したプラークが歯周病の発症や悪化につながることがあります。
したがって、歯周病予防においてはセルフケアにくわえ、歯科医院での定期的なプロフェッショナルケアで磨き残したプラークや歯石を除去することが不可欠です。

歯肉炎の段階で発見する

歯周病の多くは自覚症状に乏しく、歯や歯ぐきに異常を感じた時にはすでに骨の破壊が進んでいることが少なくありません。
さらに歯周病のやっかいなところは、一度骨が破壊されてしまうと元通りに回復することが難しく、再発を繰り返しやすい点にあります。
したがって、歯周病は初期の「歯肉炎」の段階で発見し、歯周炎への進行を食い止めることが予防の次に重要となります。

悪性度の高い歯周病に注意

歯周病の中には急速に骨の破壊が進んでしまうものや、強い痛みでセルフケアが困難になってしまうものが存在します。
これらの歯周病は比較的若い方に発症が多く、進行も早いのが特徴です。
このような悪性度の高い歯周病については、その兆候をいち早く発見し、適切な治療を受けることが肝心です。

歯周病の予防と早期発見のカギは「歯科定期検診」

歯周病にはいくつかのタイプがあり、人によって進行スピードや悪性度も異なります。なかでも、若い人がかかりやすい侵襲性歯周炎については、症例こそ少ないものの発症すると急速に組織の破壊が進むため警戒が必要です。
年齢を問わず、3~6か月に1回の歯科定期検診をぜひ習慣づけていきましょう。