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親知らずは抜く?残す?それぞれのリスクと選択のポイント Part.2

前回に引き続き親知らずのリスクについて詳しくご紹介いたします。

抜くのも残すのもリスクあり?それぞれの注意点

「抜くのは怖い」「なるべく残しておきたい」「できるだけ早く抜いてスッキリしたい」など、親知らずについての考え方は様々です。しかし、どちらの選択にもリスクがあることを理解しておく必要があります。

親知らずを抜くリスク

親知らずを抜歯したあとは、痛みや腫れ、出血などが数日から1週間ほど続くことがあります。
傷口が清潔に保たれない場合や、術後のケアが不十分な場合は症状が長引くこともあるため注意が必要です。
下の親知らずのすぐ近くには太い神経が通っているため、非常にまれではありますが、術後に唇や舌にしびれが残ることがあります。こうした神経障害は一時的なものがほとんどですが、回復までに時間がかかるケースもあります。
とはいえ、事前にレントゲンや歯科用CTで神経の位置や歯の状態をしっかり確認し、適切な方法で処置をおこなえば、こうしたリスクを回避することが可能です。

親知らずを残すリスク

親知らずがあることで、将来的に次のようなトラブルを引き起こす可能性があります。
・自分では磨ききれず、むし歯や歯周病になる
・親知らず周囲の腫れ・痛みを繰り返す
・周囲の歯にもむし歯や歯ぐきの炎症が広がる
・歯並びに悪影響を与える
・手前の歯の歯根(歯の根っこ)を溶かしてしまう「歯根吸収」を起こす
・周囲の粘膜にも炎症が広がり、強い痛みや腫れ、全身症状を引き起こす

こうしたトラブルは一時的に症状が治まったように思えても、根本的な原因が解決しないかぎり症状を繰り返します。それらは自然に治ることはなく、放置するほどリスクは高まります。

親知らずは若いうちに抜いたほうがいい?その理由とは

将来的に親知らずを抜歯する可能性がある場合は、できるだけ若いうちに抜いておくのが理想的です。
若い年代はあごの骨が柔らかく、親知らずも深く埋まっていないことが多いため、抜歯の負担が少なくすみます。
また、10代後半から20前半は回復力も高いため、術後の傷の治りが早く、腫れや痛みが比較的軽いのも利点です。
くわえて、親知らずを早めに抜いておくことで、むし歯や歯周病、歯並びの乱れといった将来的なリスクを回避することができます

定期検診で将来リスクに備える

親知らずを抜くか・残すかの判断は、一人ひとりの状況や将来リスクによって大きく異なります。残すリスクと抜くリスクの両方を十分に理解したうえで、今後の方針を歯科医とよく相談して決めていきましょう。
「まだトラブルになってないから大丈夫」という今こそ、歯科医院での定期的なチェックを受けることが肝心です。
親知らずは症状が出る前に管理することで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
痛みや腫れが出る前に、3~6カ月に1回の定期検診で将来リスクに備えましょう。