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続・歯周病のサインを見逃さない! こんな症状があらわれたら要注意

前回に引き続き歯周病について解説していきます。今回は歯周病の進行と全身への影響に
ついてです。

知っておきたい!歯周病の進行段階

歯周病は一朝一夕で進行する病気ではなく、長い年月をかけてじわじわと進行していきま
す。
その進行段階を知っておくことで、自身のお口の状態を把握し、早期治療に結びつけるこ
とができます。
ここでは、歯周病の進行段階について詳しくご紹介しましょう。

初期 歯肉炎
歯周病は初期の「歯肉炎」からはじまり、やがて「歯周炎」へと進行します。歯肉炎は歯
ぐきに限局した炎症で、歯ぐきの赤みや軽度な腫れ、歯磨き時の出血などをともないます

症状としては軽微ですが、この段階で適切な対処を行えば、元の健康な歯ぐきに回復させ
ることが可能です。
中期 軽度~中等度歯周炎
初期の歯肉炎を放置すると炎症が歯ぐきの奥深くにまで広がり、歯を支える骨を溶かす「
歯周炎」へと進行します。
この段階になると歯ぐきの腫れや出血が顕著になり、口臭も強くなります。また、歯ぐき
が痩せて「食べ物が詰まりやすい」「歯の根元がしみる」といった症状をともなうことが
あります。
末期 重度歯周炎
歯周炎がさらに進行すると歯を支える骨の破壊が著しく進み、歯がグラグラしたり、食べ
物が噛みにくくなったりします。
歯ぐきからは出血にくわえ膿が出るほか、周囲が不快に感じるほどの強い口臭をともなう
ようになります。

歯周病は全身の健康にも影響する

歯周病は単にお口の問題だけでなく、全身の健康にも大きな影響を及ぼすことが近年の研
究で明らかになっています。以下に、その代表的な病気をご紹介しましょう。
糖尿病
歯周病と糖尿病は密接な関わりがあり、糖尿病の方は歯周病にかかりやすく、さらに歯周
病が糖尿病を悪化させるという双方向の関係が明らかになっています。
歯周病が進行すると炎症に関連した物質が体内に増加し、これらの物質が血糖値を下げる
「インスリン」というホルモンの働きを妨げます。その結果、血糖値のコントロールが難
しくなり、糖尿病の病状が悪化すると考えられています。

心臓病
歯周病は心臓病との関連も指摘されています。アメリカの権威ある雑誌には、60歳未満で
歯周病が重度に進行した人は、そうでない人に比べて心血管死(心筋梗塞)が2.48倍も発
症しやすいと報告しています。
早産・低体重児出産
妊婦さんが歯周病にかかると、早産や低体重児出産のリスクが高まることが明らかになっ
ています。
これは歯周病菌や炎症に関連する物質が血管を通じて子宮に作用し、その収縮を早めてし
まうためと考えられています。
歯周病は上記のほかに、誤嚥性肺炎やアルツハイマー型認知症との関連も指摘されていま
す。このように、歯周病は歯や歯ぐきの問題にとどまらず、全身の健康にも悪影響を及ぼ
す可能性のある病気です。したがって、歯周病を予防・治療することは、全身の健康を守
ることにもつながります。

早期発見が肝心!歯科定期検診で歯周病の進行を防ごう

歯周病は初期の段階でその兆候に気づきにくく、知らない間に重症化してしまうことも少
なくありません。そうならないためには、プロの目で早期に異変を発見し、適切な処置を
受けることが肝心です。さらに、「歯は全身の健康の入り口」といわれるように、口腔ケ
アは全身の健康維持に重要な役割を担っています。
ぜひ、歯科定期検診を通じて全身の健康づくりに取り組んでいきましょう