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知覚過敏になったらどんな治療をする?

前回に引き続き知覚過敏についてご紹介いたします。

歯科医院では知覚過敏に対して、次のような治療を行います。

1原因の特定と改善
知覚過敏の元となる原因を特定し、その原因に対するアプローチを行います。大元の原因を取り除いておかないと、一時的に症状が改善しても再発する可能性が高くなります。
アプローチ例
■ブラッシングの問題:ブラッシング指導を実施し、正しいブラッシング法や歯ブラシの
選び方のアドバイスを行います。
■歯周病:歯周病治療を行い、歯ぐきの改善を図ります。
■歯ぎしり・食いしばり:ナイトガード(歯ぎしり専用マウスピース)を装着し、歯への
ダメージを最小限に食い止めます。

2薬剤の塗布
象牙質が露出した部分に専用の薬剤を塗布し、外部からの刺激をブロックします。

3欠けた歯質の修復
歯が欠けている場合は、プラスチックの詰め物(コンポジットレジン)や被せ物などで修復します。

4神経を取る
上記の治療でも症状が改善されず、日常生活に支障をきたす場合は、最終手段として神経の除去(抜髄)を行います。
ただし、歯へのダメージが大きいため、メリットとデメリットをよく比較したうえで、治療をするか・しないかを慎重に検討します。

自宅でできる知覚過敏ケア

軽度の知覚過敏であれば、セルフケアで症状が改善できる場合があります。
ただし、しみる症状や痛みが強い場合は無理に行わず、歯科医院で相談することが大切です。

・適切なブラッシング
ブラシの硬さは「ふつう」または「やわらかめ」を選び、力は入れずに優しく磨きましょう。
歯ブラシを横に大きくスライドしたり、強い力で磨いたりするのはNGです。また、回数も1日2回または3回を目安に行うようにしてください。
歯磨きも頻度が多くなると歯や歯ぐきへダメージを与えてしまうため、磨きすぎに注意しましょう。

・知覚過敏専用の歯磨き剤を使う
近年は知覚過敏症状に配慮した専用歯磨き剤も市販されています。
これらの歯磨き剤には歯面をコーティングする薬用成分が配合されており、痛みやしみる症状などの緩和が期待できます。

歯科定期検診で先回りして知覚過敏を防ぐ

知覚過敏の原因となる「エナメル質の破損・摩耗」や「歯肉の退縮」は症状が出てから対処するのではなく、歯科医院で定期的なチェックを受けながら予防や早期発見に努めることが大切です。
歯科定期検診では口内のチェックはもちろんのこと、適切なブラッシング法や歯ブラシの選び方、歯ぎしりの対策、食生活の指導など、個々の患者さんに合ったアドバイスを行います。
こうした取り組みにより予兆を早期に発見し、適切に対処できるため、知覚過敏の発症を未然に防ぐことができます。
歯やお口に生じる小さな変化を見逃さないように、3~6か月に1回は歯科医院へ足を運び、お口の中をくまなくチェックしてもらいましょう。