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歯を失うとどうなる? たった1本の歯が招く恐ろしい「欠損ドミノ」Part.2

前回に引き続き歯の欠損ドミノの影響や予防についてご紹介いたします。

歯を失うと日常生活はどう変わる?

歯を失うことは、生活の質(QOL)の低下に直結しています。具体的に、以下のような問題が生じやすくなります。

1、食べたいもの、好きなものが食べられなくなる

噛む力が低下することで、食事の選択肢が制限されます。

好きな食べ物や栄養価の高い食品が食べられなくなると、食事の楽しみが減るだけでなく、栄養バランスも崩れやすくなります。

2、うまく発音できず、人前で話すのが怖くなる

歯を失うと発音にも支障をきたしてしまいます。

例えば、前歯を失ったことが原因で「サ行」や「タ行」の発音が不明瞭になると、人との会話に自信が持てず、社会生活にも支障をきたすおそれがあります。

3、噛み合わせが悪くなって、肩こりや頭痛に悩まされる

歯を失って噛み合わせが大きく乱れると、その周囲にある筋肉のバランスも崩れてしまいます。

その結果、頭痛や肩こり、腰痛などの症状を引き起こすことがあります。

歯の欠損ドミノが全身の健康に与える影響

「噛む」という行為は、単に食べ物を細かく砕くだけでなく、様々な食品を摂取することで栄養バランスを整え、全身の健康を維持する重要な役割を担っています。

歯を失って噛む力が弱まると、多くの人は硬い食品を避けがちです。しかし、軟らかい食べ物に偏った食生活はカロリー過多になりやすく、肥満のリスクを高めてしまいます。

さらに、野菜や繊維質の多い食品を避けるようになると、糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクが増加します。これがのちに、心筋梗塞や脳卒中など深刻な健康問題へ発展することも実は少なくありません。

くわえて、噛むことによる脳への刺激が減少すると、認知機能の低下につながることが近年の研究で明らかになっています。

歯の欠損ドミノを防ぐ

たった1本の歯を失うことからはじまり、まるでドミノ倒しのように健康が失われていくこの現象は、決して遠い未来の話ではありません。欠損ドミノの脅威は年齢を問わず、誰もが直面する身近な問題です。

このような悪循環を未然に防ぐためには、1本1本の歯を徹底的に守り抜くことと、もし歯を失っても早期に適切な治療を受けることが何より重要です。

1本の歯を守り抜くために

歯を失う2大原因は「むし歯」と「歯周病」です。したがって、まずはこの2つの病気にならないこと(予防すること)が最優先事項となります。

それでもむし歯・歯周病になってしまった場合でも、早期に発見し治療することで歯を失うリスクを大幅に減らすことができます。

歯を失った状態を放置しない

もし、最初の1本の歯を失った場合でも、放置せず早い段階で治療を受けることが肝心です。ブリッジや入れ歯、インプラントで歯の機能を回復することは、残っている歯を守ることにつながります。

ブリッジや入れ歯はそれを支える歯に負担をかけるリスクはあるものの、何もしないまま放置するよりははるかに良い選択です。

歯科定期検診の習慣化で欠損ドミノを食い止める

歯の欠損ドミノを防ぐうえでは、定期的な検診が欠かせません。歯科定期検診では、目にはみえない小さなむし歯や、まだ症状がでていない歯周病を早期に発見することができます。さらに、プロフェッショナルケアを受けることで、ご自宅でのケアでは取り切れない汚れを徹底的に除去し、お口の健康を維持していきます。

歯の健康を守り、笑顔で豊かな人生を送るために、3~6か月に1回の定期検診を習慣にしましょう。