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抜歯をするのはどんなとき?

歯を失う3大原因と歯の寿命を延ばすポイント

いつまでも自分の歯で食事を楽しみ、笑顔で過ごしたいと願っていても、予期せぬトラブ
ルで歯を失ってしまうことがあります。大切な歯を失わないためには、抜歯に至ってしま
う原因を知り、できるだけ早い段階で適切な対策を講じることが何より重要です。
今回は歯が抜歯に至ってしまう3大原因と歯を失うリスク、歯の寿命を延ばすポイントな
どをご紹介していきましょう。

歯が抜歯になる3大原因

公益財団法人8020推進財団による永久歯の抜歯原因調査によると、私たちの歯が抜歯に至
る3大原因は「むし歯」「歯周病」「破折」となっています。このうち、歯科2大疾患の「
むし歯」と「歯周病」は抜歯原因の7割近くを占めます。
年代別でみると、若い年代では「むし歯」が原因で抜歯に至る人の割合が多く、中高年以
降では「歯周病」や「破折」で歯を失う人の割合が多いのが特徴です。

歯種別では一般に奥歯から失われる傾向があります。また、過去の疫学研究では、次のよ
うな歯が、将来的に抜歯に至るリスクが高いことがわかっています。

抜歯リスクが高い歯

●未処置のむし歯 ●被せ物(クラウン)が装着されている歯
●部分入れ歯の金具(クラスプ)がかかる歯 ●歯周病が進行している歯
どんな状態になったら抜歯になる?
では、実際にどのような状態に至ると抜歯になるのか、
3大原因別にみていきましょう。

・虫歯

むし歯はその進行の度合いに応じて、COからC4の5段階に分類されます。
このうち、抜歯の対象となるのは「C4」の段階です。むし歯がC4に至ると歯はその大部分
が失われ、土台となる歯根(歯の根っこ)も弱くなってしまいます。そのため、仮に治療
をしてもその後に入れる被せ物(クラウン)を維持することが難しく、多くのケースで抜
歯になります。

・歯周病

歯周病は歯ぐきの炎症(歯肉炎)からはじまり、進行すると歯を支える周囲の骨を溶かし
ていきます。
歯周病は進行に応じて、軽度・中等度・重度の3段階に分類されますが、重度歯周病では
骨の大部分が失われ、歯がグラグラしてものが噛めなくなります。この状態で無理に歯を
残しても痛みや腫れが引かないほか、その影響が周囲の歯にも及んでしまうため、抜歯に
なる可能性が高くなります。

・破折

破折とは、歯にヒビが入ったり割れたりする状態のことで、過去に大きなむし歯などで神
経を抜いた歯(無髄歯)に起こりやすいのが特徴です。破折した歯を残すか、抜歯するか
は破折した部位によってその判断が異なります。
一般に、ヒビや割れが浅い部分で生じている場合は保存が可能ですが、根の深い部分にヒ
ビが入ったり、縦に真っ二つに割れたりしている場合は抜歯になる可能性が高くなります。
これは、歯の根っこが割れたままだと噛む力が維持できないほか、割れた部分から細菌
が侵入し、痛みや腫れを生じてしまうためです。
いかがでしたでしょうか。次回は歯を失うとどのようなリスクがあるのか、歯の寿命を伸
ばすポイントをご紹介いたします。