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口腔ケアが腸を守る!お口と腸の意外な関係 Part 2

前回に引き続きお口と腸の意外な関係についてご紹介いたします。

お口の細菌は「大腸がん」にも関係が?

全身の健康に影響を与えるのは、歯周病だけではありません。新たな研究では、お口の細菌が大腸がんの発症や進行に関係している可能性も指摘されています。
最新の医学研究では関連が示唆されている

大腸がん患者さんの唾液と便を調べた研究では、両者から共通する4種類の口腔細菌が発見されました。
これら細菌は、これまで大腸がんと関連があるとされていた菌とは異なる種類であることから、お口の環境と大腸がん発症の関連が示されています。
また別の研究では、大腸がん初期の患者さんの便に特定の口腔細菌が多く含まれており、この菌ががんの発症に関わっていることが明らかになりました。
今後さらに研究が進めば、唾液検査による大腸がんのリスク評価や、口腔ケアによる大腸がんの予防が可能になるかもしれません。

「腸活」はお口のケアも重要

近年は「腸内環境を整えると健康に良い」という考えが広まり、“腸活”に取り組む人が増えています。しかし、腸を健康に保つためには「お口のケア」も大切だということが新たにわかってきました。

食事面だけでは片手落ち

これまでの腸活といえば、ヨーグルトや納豆などの発酵食品を積極的に食べたり、食物繊維を意識して取り入れたりなど、主に食事面からのアプローチが一般的でした。
しかし、いくら腸に良い食事をとっても、お口の中が細菌でいっぱいだと、その効果を十分に得ることができません。
なぜなら、食べ物と一緒にお口の中の菌が大量に運ばれてしまうと、かえって腸の環境を乱してしまうからです。

まずはセルフケアを見直すことから

せっかくの取り組みを無駄にしないためにも、これからの腸活では食事面にくわえ、「口腔ケア」も欠かせない要素といえます。
お口の中の細菌を減らすために、まず重要となるのが日々のセルフケアです。
1日2~3回の歯磨きにおいては、歯ブラシによる清掃にくわえ、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、細かいすき間にたまった汚れも丁寧に落としていくことが大切です。
また、仕上げに殺菌成分が配合された洗口液(マウスウォッシュ)を使うと、さらに効果的にお口の細菌を減らすことができます。

歯科医院でのメンテナンスが健康維持のカギ!

お口の細菌を減らし、清潔に保つうえでは歯科医院で行う定期的なメンテナンスも必須です。なかでも歯周病菌は「歯と歯の間」「歯と歯ぐきの境目」など、酸素の少ない場所に好んで生息します。
しかし、これらの小さなすき間は歯ブラシの毛先が届きにくいため、知らず知らずのうちに細菌の温床になってしまうことも少なくありません。

プロフェッショナルクリーニングとセルフケアの質向上

セルフケアでは落とせない細菌を効果的に除去できるのが、歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングです。
さらに、歯科医院であなたに合ったブラッシング法をアドバイスしてもらうことで、日々のセルフケアの質を向上させることができます。こうした専門的なケアを3~6カ月に1回を目安に定期的に受けることで、口腔環境を良好に維持できるようになります。
健康な体を維持するためには、腸だけでなくお口の健康も欠かせません。毎日のセルフケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスで、病気に負けない体づくりをはじめていきましょう。