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「歯の神経を抜く」ってどういうこと?―治療の流れとリスク―

歯の神経はどうやって抜く?

実際の治療で歯の神経をどうやって抜いていくのか、治療の流れを以下にご紹介しましょう。
1麻酔をかける
まずはしっかり麻酔を効かせて、治療中の痛みを抑えます。
2むし歯の除去
むし歯になった部分を削り取り、神経の入り口を明示します。
3神経を取り除く
「ファイル」「リーマー」という細い器具を使って、神経を丁寧に取り除きます。
4神経が入っていた空洞を洗浄・消毒する
神経のあった空洞(歯髄腔・根管)を薬剤で洗浄・消毒し、細菌を確実に取り除きます。
5専用の薬剤を詰める
空洞が無菌化したら、特殊な薬剤(根管充填材)を緊密に詰めていきます。
これにより、治療後の再感染を防ぐことができます。
6最終的な詰め物・被せ物を装着
歯を削った部分を詰め物・被せ物で修復し、治療は終了です。

以上のように、神経を抜く治療は複数の段階を経て、丁寧に行われていきます。治療回数や期間は個々の歯の状態によって異なりますが、通常は3~4回、約1ヶ月の通院で完了するのが一般的です。

歯の寿命が縮まる? 歯の神経を抜くデメリットとリスク

激しい痛みや感染の拡大を抑えるために歯の神経を抜く治療は必要不可欠な一方で、神経を抜くことにはリスクやデメリットをともないます。
痛みの感覚がなくなる
歯の神経がなくなると、次に何かトラブルが起きても痛みを感じなくなるため、発見が遅れやすくなります。
細菌に感染しやすい
神経を抜いた後は防御機能が働かなくなるため、再感染を起こしやすくなります。
歯が黒く変色する
神経がなくなると歯の新陳代謝も行われなくなるため、内側から少しずつ黒く変色していきます。
歯が割れやすくなる
神経を抜くと歯の強度が低下するため、強い衝撃を受けた際や硬いものを噛んだ時などに歯が割れやすくなります。
抜歯のリスクが高まる
神経を抜いた歯は神経がある時に比べて抜歯になるリスクが高くなります。実際に、抜歯した歯の状態を調べた調査においても、その半数以上が無髄歯(神経がない歯)であることがわかっています。

大切な歯を守るために予防歯科(歯科定期検診)のススメ


歯の神経はむし歯などの異常を「痛み」で知らせるだけでなく、「酸素や栄養を届ける」「細菌から守る」など、歯の生命活動を支える重要な役割を担っています。そのため、神経を失うことは、結果的にその歯の寿命を縮めてしまうことにつながります。
重要なのは、そうなる前に日頃からケアを欠かさずむし歯を予防し、歯科医院で定期的なチェックを受けて早期発見・早期治療に努めることです。
それでも、やむを得ない事情で神経を取らざるをえない場合は、神経を失うことで生じるリスクに備えることも大切です。その点において、歯科定期検診は予防や早期発見・早期治療だけでなく、治療した歯の予後を良好にして長持ちさせる効果があります。
ぜひ、3~6か月に1回の歯科定期検診を習慣化し、歯の健康を守っていきましょう