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「1日3回」よりも大事なことは? 最新ガイドラインでわかる歯みがきの新常識 Part1

これまで「1日3回」が推奨されてきた毎日の歯みがき。しかし、最新の研究では回数よりも「タイミング」と「やり方」が重要であることが明らかになっています。
今回は、世界130か国以上の歯科医師たちがこれまでの研究結果をもとに作成したガイドラインのなかから、効果的な歯みがきの方法を詳しくご紹介しましょう。

歯みがきは「寝る前の1回+1回」の1日2回

これまでの歯みがきは「毎食後1日3回」というのが一般的でしたが、最新のガイドラインでは「就寝前ともう1回」の1日2回が推奨されています。
ただし、これは単に回数を減らすということではなく、効果的なタイミングでしっかり磨くことの重要性を示したものです。

寝ている時が最も病気のリスクが高い

なかでも、重要視しているのが「就寝前の歯みがき」です。寝ている間は唾液の分泌が大幅に減少するため、日中よりも口内に細菌が繁殖しやすく、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
つまり、1日の中でもっともリスクが高まる時間帯に備えるために、「就寝前」の歯みがきが強く推奨されているわけです。

フッ素の効果を最大化する

寝る前の歯みがきは、フッ素(フッ化物)の効果を最大限に発揮させる絶好のタイミングでもあります。したがって、就寝30分前までには歯みがきを済ませておき、磨いたあとは「何も食べない・飲まない」ことが大切です。

寝る前+朝食後が理想

あとの1回の歯みがきは「朝食後」が理想的ですが、時間がない場合は起床時に軽くうがいをするだけでも効果的です。ただし、その場合でも、日中の都合の良いタイミングで必ず歯磨きを行うようにしてください。
毎日決まった時間に習慣づけることで、より効果的なケアが実現できるでしょう。

歯みがきは「時間」よりも「きちんと磨けたか」が重要

歯みがきに関しては「1回につき何分ぐらい磨けばいいですか?」という質問をよく耳にします。しかし、最新のガイドラインでは時間について言及されていません。
なぜなら、歯みがきの効果は、歯の本数や手の器用さ、歯みがきのテクニックによって左右し、これによりキレイに磨くための時間も人によって大きく異なるためです。

どこが磨けていないかを意識する

「〇分以上磨く」など時間にこだわるのではなく、「すべての歯の表面がキレイになるまで」を目安にすることが大切です。やみくもにブラッシングするのではなく、どの歯がキレイになったか、どこが磨けていないかを意識しながら磨く習慣を身につけましょう。

歯ブラシは「ヘッドが小さく」「やわらかめ(中くらいの硬さ)」のものを

効果的な歯みがきには、適切な歯ブラシの選択も重要です。最新のガイドラインでは「ヘッドが小さめ」で、毛の硬さは「やわらかめ」または「中くらいの硬さ」の歯ブラシを推奨しています。
また、手動歯ブラシと電動歯ブラシについては、手動でも十分な効果が得られる一方で、電動歯ブラシは一定の動きをキープできるため、使い方次第ではより効果的としています。ただし、いずれの場合も磨き方のテクニックが最も重要な要素となります。
したがって、手動・電動に関わらず、まずは歯科医院で自分にあった歯ブラシやブラッシング法を指導してもらいましょう。

次回は歯磨き剤の選択方法やうがい方法のご紹介をいたします。