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歯周病は生活習慣病か?歯周病予防に役立つ生活習慣・食習慣について①


歯周病をはじめとするお口トラブルの予防では、「1日2回以上の歯磨き」と「歯科医院での定期的なクリーニング」が予防の2本柱としてよく知られています。
一方で、歯周病については同じようなケアをしていても歯ぐきが健康な人もいれば、歯ぐきの腫れや出血を繰り返してしまう人もいます。なぜなら、歯周病の発症や進行にはお口の清掃状態のほかに、生活習慣や食習慣が深く関わっているためです。
今回は歯周病と生活習慣との関連をテーマに、歯周病予防で気をつけたい生活習慣や食習慣について詳しく解説していきましょう。

歯周病と生活習慣の関係

歯科2大疾患のむし歯と歯周病は、いずれもお口の中に生息する細菌(プラーク)によって引き起こされる病気です。歯周病はプラーク内に生息する細菌が歯ぐきに感染して炎症を起こす「歯肉炎」に始まり、その炎症がやがて歯ぐきの奥に広がる「歯周炎」へと発展していきます。
歯肉炎から歯周炎へ進行すると歯を支える骨(歯槽骨)が次第に溶けていき、歯がグラグラ揺れたり、最終的には自分の歯が残せなくなったりします。したがって、自身の歯を歯周病から守るためには、最初の歯肉炎の段階で炎症を食い止め、歯周炎に発展させないことがとても重要です。
歯肉炎が歯周炎へ進行するスピードは比較的緩やかで、通常は数年単位で進行していきます。そのスピードを速める要因が実は生活習慣の中に多く潜んでおり、このような習慣が長く続いてしまうと、一気に歯周炎へと進んでしまうのです。
このように歯周病の発症や悪化にはお口のケアだけでなく生活習慣も深く関わることから、歯周病は「生活習慣病」として位置づけられています。

歯周病の発症や進行につながる生活習慣

歯周病の予防では毎日のセルフケアにくわえ、歯周病の発症や進行に関連する生活習慣の改善が必要です。
その代表的なものを以下にご紹介していきましょう。
【喫煙】
喫煙は歯周病の発症や進行に関わる最大のリスクファクター(危険因子)とされています。これはタバコに含まれる有害物質(一酸化炭素・ニコチンなど)に歯ぐきの血流を妨げたり、歯ぐきの抵抗力を弱めたりする作用があるためです。
実際に、タバコを吸う人は吸わない人よりも2~8倍も歯周病になりやすく、1日10本以上吸う人ではそのリスクが5.4倍上昇するというデータもあります。
【飲酒】
お酒はそれ自体が歯周病の進行や悪化につながるわけではありません。しかし、お酒をよく飲む人は歯を磨かずに寝てしまったり、歯磨きをおろそかにしてしまったりする傾向があることから、飲酒も歯周病の進行に関わる生活習慣の1つとされています。また、アルコールによって血流が良くなると、歯ぐきの炎症を強めてしまうおそれがあります。習慣的に炎症の増強が長く続いてしまうと、炎症の拡大が急速に進んでしまうため注意が必要です。
【睡眠】
歯周病の進行は体の免疫力にも大きな影響を受けます。十分に睡眠がとれない状態が続くと免疫力が低下し、進行を早めてしまうおそれがあります。
また、睡眠不足によって自律神経のバランスが乱れてしまうと、唾液の分泌量が減少します。
唾液の量が減り、口内に細菌が増殖しやすくなるのも、歯周病の進行を早めてしまう要因です。
【ストレス】
ストレスも睡眠と同様に、自律神経の乱れによって免疫力や唾液の分泌量が低下する要因になります。
また、ストレスは歯ぎしりとの関連も深く、歯ぎしりによって過度な力が歯やそれを支える骨に加わることも、歯周病の進行を助長する要因になります。

いかがだったでしょうか。次回は歯周病予防で気をつけるべき食習慣についてご紹介いたします。