ブログ

歯と歯の間にものが挟まりやすいのはなぜか?原因と放置のリスクPart 1

食事をすると歯と歯の間に食べ物が挟まる、あるいは挟まりやすくなったと感じることはありませんか? このような「ものが挟まる」という症状は歯や歯ぐきの違和感だけでなく、そのまま放置するとむし歯や歯周病、口臭などのトラブルを引き起こしていきます。

今回は歯と歯の間にものが挟まりやすい原因やそれを放置するリスクなどをご紹介いたします。

歯と歯の間はどのぐらいのすき間が正常か?

歯歯は隣り合う歯と適度な距離で接し合いながら、その状態を維持しています。

この距離を専門的に「歯間離開度(しかんりかいど)」といい、隣り合う歯との距離や接触の強さをみる指標の1つとなっています。

大人の正常な歯間離開度は、上の奥歯で0.09㎜程度、下の奥歯で0.07㎜程度です。日本人の髪の毛の太さは平均で約0.08㎜程度ですから、歯と歯の間は髪の毛の太さぐらいの間隔を保っている状態が正常といえるでしょう。

歯科医院ではこの歯間離開度の測定に「コンタクトゲージ」という専用の器具を使いますが、デンタルフロスでもすき間の状態をある程度知ることができます。

目安としては、デンタルフロスを歯間に入れたときにやや抵抗感があるのが正常ラインです。一方で、デンタルフロスが何の抵抗もなくスッと入る場合は、歯と歯の間が開いて食べ物が挟まりやすい状態になっている可能性があります。

食べ物が「上」から挟まるのか、「横」から挟まるのか

歯間離開度でいうと、歯と歯の距離が0.15㎜を超えると急激にものが詰まりやすくなるといわれています。その場合、食べ物の性状にかかわらず、食事のときに食べ物が上(噛む面)から挟まることが多くなります。一方で、「ものが挟まる」という症状は食べ物が上からではなく、横からすき間に入り込んでしまう場合も少なくありません。

ブラックトライアングル

健康な歯列には、図で示すように歯と歯が接する部分と歯ぐきの間に「歯間乳頭(しかんにゅうとう)」という三角形にとがった歯ぐきが存在しています。

しかし、歯ぐきに加わる刺激や炎症が元で歯ぐきが下がってしまうと、この三角形の部分が平らになってその部分にすき間ができてしまいます。これは専門的に「ブラックトライアングル」と呼ばれる、その名の通りすき間が黒い(ブラック)三角形(トライアングル)に見える状態です。

ブラックトライアングルが生じた歯列は、歯と歯の接触が緊密でも、食べ物が横から入り込んで挟まりやすくなります。

ものが挟まりやすいと感じたら、食べ物が上から挟まるのか、横から挟まるのかもチェックしておきましょう。

いかがだったでしょうか。次回は食べ物がつまる、挟まる原因とそのリスクについて詳しくご紹介いたします。