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続・抜歯をするのはどんなとき?

歯を失う3大原因と歯の寿命を延ばすポイント

前回に引き続き歯を失うとどんなリスクが待っているのか、また大切な歯の寿命を伸ばすカギをご紹介いたします。

歯を失う(抜歯する)とどんなリスクがある?

むし歯や歯周病、破折が原因で治療をしても改善が見込めない(痛みや腫れが治らない)場合や、残っている周囲の歯に悪影響を及ぼす場合は、やむをえず抜歯が必要となります。
抜歯をすることでこれらのトラブルが回避できますが、一方で自身の歯を失うことは次のようなリスクをともないます。

噛む力が弱くなる(咀嚼効率の低下)
歯を失うと、これまでよりも食べ物を噛む力が弱くなります。例えば、第一大臼歯(前から6番目の奥歯)を1本失うと、咀嚼効率は50%以下にまで低下するといわれています。

残っている歯に負担がかかる
仮に歯を1本失っても、すぐに「食べづらい」「噛みにくい」と感じることはありません。これは、歯の喪失による噛む力の低下を、残っている他の歯が補ってくれるからです。自身に自覚症状はなくても、歯を失ったダメージは知らず知らずに他の歯へも影響が及んでおり、ここからさらに1本、次に1本と「歯の喪失ドミノ」が始まっていきます。

歯並びや噛み合わせが悪くなる
歯が抜けた部分をそのままにしておくと、周囲の歯はその空いたスペースに向かって動きだします。その結果、歯並びや噛み合わせが悪くなり、見た目が悪くなったり、食べ物が噛みにくくなったりします。

治療時間や費用などのコストが増大
歯の喪失によって生じる2次的被害を予防するためにも、抜歯後はブリッジや入れ歯、インプラントなどで歯を補い、機能を回復することが大切です。しかし、これらの治療には時間と費用がかかるほか、治療後の維持(メンテナンス)にもコストがかかってしまいます。

歯の寿命を延ばすカギ
抜歯を回避し、生涯に1本でも自分の歯を多く残すためには、むし歯・歯周病にならないことが一番の近道です。また、仮にむし歯や歯周病にかかっても、できるだけ早い段階で発見できれば、治療によるダメージも最小限に抑えることができます。

むし歯・歯周病の予防や早期発見・早期治療で大きな効果を発揮するのは「定期的に歯科を受診すること」です。
左のグラフは定期受診を長期間続けた人の残存歯数と厚生労働省の調査(1999年)による各年代の残存歯数を比較したものです。
グラフを見てわかるように、歯科で検診を受け続けた人は、高齢になっても自分の歯を多く維持しています。とくに、80歳ではその差が歴然です。
㈶ライオン歯科衛生研究所の研究「長期間歯科定期健診の受診による歯の寿命の伸展について」のデータを参考

生涯、自分の歯を使いつづけるために
いつまでも自分の歯で食事を楽しみ、笑顔で過ごすためには毎日のセルフケアを徹底するのはもちろんのこと、3~6か月に1回を目安に歯科定期検診を受けることが大切です。
当院ではむし歯・歯周病の検査だけでなく、お口のクリーニング(歯石除去)や歯磨き指導、生活習慣のアドバイスなども行っています。これらのアドバイスを参考に、ご自身の歯の健康を守る習慣をぜひ身に着けていきましょう。