ブログ

歯周病の危険性と家庭でできる予防方法


歯周病という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

歯周病は30代で7割、40代で8割もの人がかかってしまうと言われ、歯を失う原因の第1位の病気です。

そんな歯周病は誰でもかかる可能性のある身近な病気なのです。
ただ、自覚症状が少なく進行してしまって、どんどん悪化してしまうといったことも少なくありません。

そこで今回は歯周病の危険性と家庭でできる予防方法について詳しくご説明します。

1、歯周病とは?

歯周病は歯と歯ぐきのすき間にできる『歯周ポケット』に汚れが付着することから始まります。
この『歯周ポケット』に汚れである細菌のかたまり(プラーク)が付着したままになってしまうと歯ぐきが炎症を起こしたり赤くなってしまったりします。
そして進行してしまうと『歯周ポケット』が深くなってしまい、それに伴って歯を支えている骨も溶かしてしまう病気なのです。
ただ、自覚症状が少なく、かなり進行した状態にならないと目立った症状は現れません。
『かむと違和感が強い』『歯が揺れてかみにくい』といった症状が出た時には歯を抜かなければならない場合も出てきてしまいます。
ただ、歯周病は早い段階で治療を開始すると症状を改善させて
『安定した状態』を保つことができるので、
『歯ぐきから出血する』『疲れた時に歯が浮いた感じがする』などの
初期の段階で歯科医院を受診することをおすすめします。

2、歯周病の8つの危険性

歯周病と全身の関わり

① 糖尿病

糖尿病の人は歯周病の人が多いといわれています。
このことから歯周病は糖尿病の合併症の1つに挙げられています。
そして、糖尿病は血糖を下げるインスリンが足りなくなって高血糖になってしまう病気です。
ただ、しっかりと歯周病の治療をすることで血糖値が改善されることが分かってきました。
こうして糖尿病と歯周病の治療が連携して行われるようになってきました。

②心疾患

歯周病が進行してひどくなってしまうと、歯ぐきの炎症が強くなります。
そして、歯ぐきの炎症している部分の血管から歯周病菌が侵入して、心臓の血管にも悪影響を及ぼしてしまいます。
このことから歯周病のある人は心疾患のリスクが高くなることが分かっています。

③呼吸器疾患

高齢などで、ものを飲み込む障害があると、お口の中の細菌が誤って気管に入ってしまい、肺炎を起こしてしまうことがあります。
この肺炎を嚥下性肺炎といい、歯周病でお口の中で増殖した細菌が主な原因になっています。

④早期低体重児

妊娠中は、つわりによってお口の中を清潔に保つことが出来ない場合があります。
そのため、歯周病のリスクが高くなってしまいます。
歯周病菌は血管を通してへその緒から胎児の悪影響を及ぼして、早期低体重児のリスクが高くなってしまうと考えられています。

⑤骨粗鬆症

骨粗鬆症とは骨の強度が低くなって、軽い衝撃でも骨折を起こしやすくなる病気です。主な原因は加齢で、女性ホルモンの影響を受けるため高齢の女性に多い疾患です。致命的な疾患ではありませんが、結果的に要介護状態になる人も少なくないので注意が必要です。そして骨粗鬆症の人は、体の骨密度が低いことから、同年代の人や、同じ歯周病の要因を持つ人と比べて歯周病になりやすい傾向があります。

⑥腎疾患

腎臓の役割は、血液が運んできた体中の老廃物を濾過し、尿として体外へ出すことです。腎臓の機能低下が慢性的に続く状態を、慢性腎臓病といいます。慢性腎臓病が進行して腎不全になると、老廃物を除去できなくなり、最終的には透析や移植が必要になってしまいます。そして重症の歯周病の人は、腎機能が低いことが多いです。これまでの研究結果によれば、歯周病を治療すると、腎臓の状態も少し良くなる可能性が高いと考えられます。ただし、どのくらい良くなるかはケースバイケースです。

⑦動脈硬化

動脈硬化とは動脈の内側で血液中の脂肪や白血球などが粥状にくっついて溜まり、血管が硬く狭くなることです。溜まったものが壊れると血栓をつくり、完全に血管を塞いでしまうことがあります。冠動脈で起これば心臓発作、脳で起これば脳卒中で、がんに次ぐ日本人の死因第2位です。そして歯周病と動脈硬化症の両方にかかっている人は多いです。動物実験では、歯周病菌が体の動脈硬化を起こす仕組みがわかっています。ただし、人間の体の中でも起きるのかどうかは、まだはっきりしていません。

⑧関節リウマチ

関節リウマチは、体の免疫の仕組みに異常が起きて、「自己抗体」という自分自身の体を攻撃するものができてしまい、そのため関節に腫れや痛みを伴う炎症が起こる病気です。進行すると関節が変形してしまいます。女性や高齢者に多い病気です。関節リウマチの患者さんは歯周病にかかりやすく、歯周病が重症になりやすいとわかっています。逆に、歯周病があると関節リウマチが悪化しやすいということも言えそうです。研究では、関節リウマチを歯周病の両方にかかっている人の歯周病を治したら、関節リウマチも改善したという報告が多いです。

3、自宅での簡単な予防方法

歯周病の予防で大切なのは、歯ぐきにダメージを与えてしまう汚れをしっかり取り除くことです。
そのためには毎日のケアでしっかり汚れを除去して、いつも歯をキレイな状態に保ってあげることが大切です。

特に歯ぐきの境目や歯と歯の間の汚れは、歯周病の原因になってしまうので、重点的にケアしてあげる必要があります。

【歯周病ケアに向いている歯磨きの仕方】

①歯と歯ぐきの境目に斜め45度に歯ブラシを当てて細かく磨く

大きな汚れを除去することができても、歯ぐきの境目は汚れが残りがちです。
さらに、その境目に汚れが長い期間付着することで歯周病が進行してしまいます。
歯周病の予防で特に気を付けて磨きたい部分なので、2本ずつ位を目安に細かく歯ブラシを動かしていきましょう。
毛先が細くなっている歯ぐきの境目に入り込みやすい歯ブラシがおススメです。

②歯の面に平行に歯ブラシを当て細かく磨く

歯周病ケアには汚れを除去する事がとても大切なので、歯の表面の汚れを細かく磨いていく必要があります。
大きなストロークでは所々汚れが残ってしまうので、1本~2本を目安にして細かく磨いていきます。
歯と歯の間にも毛先が入る様なイメージで磨いていくと効果的です。

【デンタルフロスと歯間ブラシ】


歯ブラシで頑張って細かく磨いても、歯と歯の間の汚れは磨き残しが出やすい場所です。
お家でのお掃除で用途に分けて用具を変える様に、歯と歯の接しているコンタクト部分にはデンタルフロスを使用しましょう。
また歯と歯の間には歯間ブラシが効果的です。
歯間部に歯間ブラシを入れて動かすことで汚れを除去してくれます。
このように細かな汚れには、ご自身に合った補助清掃用具を使用してあげることで磨き残しをなくしてくれます。

【まとめ】

歯周病は誰でもかかってしまう可能性のある身近な病気で、進行してしまうと歯を失ってしまうこともある怖い病気です。
ただ、日頃からしっかりと歯磨きや補助清掃用具でケアをしてあげることで予防することが出来るのです。
毎日のケアでしっかりと汚れを落として歯周病を予防してあげましょう。
新狭山で歯周病治療を行うなら森山歯科までご来院下さい。